過敏性腸症候群
Irritable bowel syndrome
Irritable bowel syndrome
このような症状をお持ちの方は過敏性腸症候群(Irritable Bowel Syndrome:IBS)が疑われます。
過敏性腸症候群はお腹の痛み、便秘や下痢、不安などの症状により、日常生活に支障をきたすことが少なくありません。お困りの方はお気軽にご相談ください。
IBSは、ストレスが一因で引き起こされるとされている腸の機能的な病気で、10人に1人に発症するとされる非常に有病率の高い疾患です。IBSは腸の機能的な病気ですので、腫瘍や炎症などの器質的な腸の病気がないことが診断の前提となります。
IBSの原因は、はっきりとはわかっていませんが、ストレスによって不安状態になると、腸は自律神経やホルモンの乱れを介して、蠕動運動が不安定な状態になり、さらに痛みを感じやすい知覚過敏の状態になることが知られています。
これにより、便秘や下痢といった便通異常が引き起こされ、腹痛が生じます。この状態が強く生じているのがIBSです。
また、細菌やウイルスによる感染性腸炎にかかったその回復後にIBSになりやすいことも知られています。
【診断】
IBSは、腸の機能異常により下痢や便秘などの便通異常とともに腹痛を伴います。
しかし、大腸癌などの腫瘍性疾患や潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患などの器質的疾患も、同様の症状を呈することが多々あります。
そのため、IBSと診断するためには、大腸カメラ検査(時にはエコー検査)を行い器質的疾患を否定する必要があります。
そのため当院では、年齢や症状、症状発症までのエピソードからIBSを積極的に疑った場合でも、一度は器質的疾患を否定するために大腸カメラ検査の実施を推奨しています(当院では苦痛の少ない鎮静剤を用いた大腸カメラ検査も行なっております。消化器内視鏡専門医・指導医も在籍しておりますので、安心して検査をお受けください。)。
【治療】
IBSと診断した場合、食習慣や生活習慣の改善(暴飲暴食を避けて3食を規則的に摂る、高脂肪食を控える、アルコールを控える、ストレスをためず睡眠・休養を十分にとるなど)を行います。これに併せてIBSを下痢型・便秘型・混合型・分類不能型と便の形を主な尺度で分類し、腹痛などの症状と合わせて内服治療を行なっていきます。
ストレスによるものと思われる他の症状がある場合はあわせて治療を行なっていきますが、これらの治療によっても症状が改善しない場合は、抗不安薬など、心理的要因の改善に繋がる投薬を行なっていきます。
これらの治療を行なったにも関わらず、日常生活に支障が出るような症状が続く場合は、信頼のおける心療内科・精神科をご紹介させていただきます。
なにより大切なことは、器質的疾患が否定できれば、「ひとまず安心」ということです。ゆったりとした気持ちで一緒に治療していきましょう。
浜野胃腸科外科では過敏性腸症候群(IBS)の疑いのある方、実際に発症されている方の治療を行っております。
消化器専門医が診察から治療まで行っておりますので、まずは一度ご相談ください。症状が長期間続けば悪化する可能性もありますので、些細なこと・症状でも構いせんのでご遠慮無くご来院ください。