DAY ENDOSCOPIC SURGERY 日帰り内視鏡手術
大腸ポリープとは?
粘膜が隆起して形成された病変の総称です。
腫瘍性のポリープと非腫瘍性のポリープに大別され、このうちの腫瘍性ポリープに腺腫と癌があります。
腺腫と癌は連続性の病変で、異型度が高くなるにつれ腺腫から癌へ変化していき、腫瘍径が10mmを超えると急激に癌を含む可能性が高くなると言われています。
当院では検査時に、腫瘍性か非腫瘍性かを区別し、腫瘍性であると判断した場合は、検査と同時に治療を施します。ただし、サイズが大きくなると、切除した腫瘍の回収により内視鏡の視野が狭くなり、他部位の観察が不十分となります。そのため、後日改めて治療のみを行う機会を設けたり、入院による治療が可能な施設への紹介を行います。
ENDOSCOPIC SURGERY METHOD
当院における
内視鏡手術法の選択
当院では、腫瘍の形態や大きさに応じて、①ポリペクトミー、②粘膜切除術(EMR)、③コールドポリペクトミー、④hybrid ESDのいずれかの方法で治療を行っています(以下に治療例を示しました)。
内視鏡手術には、出血と穿孔(腸に穴が開くこと)という2大偶発症があります。
これらの偶発症を回避して、腫瘍を残さずに切除することが必要となりますが、これら4つの治療法を使い分けることで、安全で的確な治療が行えるように心がけています。
ポリペクトミー
腫瘍に茎がある場合に用いる方法です。電気メスであるスネアを用いて切除します。
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Step01
茎のあるポリープです。
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Step02
NBI観察で腺腫と診断します。
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Step03
状況に応じて、出血予防で茎をクリップで縛ります。
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Step04
茎のあるポリープです。
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Step05
NBI観察で腺腫と診断します。
粘膜切除術(EMR)
腫瘍が隆起型で茎が無い場合に用いる方法です。腫瘍の下に液体を注入してからスネアで切除します。
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Step01
茎の無い隆起型の腫瘍です。
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Step02
NBI観察で腺腫と診断します。
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Step03
腺腫の下に液体を注入して腫瘍を持ち上げます。
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Step04
スネアで縛り、電気を流して切除します。
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Step05
切除後、病変が残っていないか確認します。
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Step06
必要に応じて、出血や穿孔予防目的にクリップで閉創します。
コールドポリペクトミー
比較的小さな腫瘍に用いる方法です。
スネアや専用の鉗子(Boston Scientific社製のコールドポリペクトミー鉗子)を用いて、電気を通さずに切除します。
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Step01
6mm大の隆起型腫瘍です。
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Step02
NBI観察で腺腫と診断します。
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Step03
この腫瘍はスネアを用いて根元を縛ります。
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Step04
電気を流さずにむしり取るように切除します。切除部を水で洗い流し、止血を確認し、病変が残っていないか確認します。
hybrid ESD
平坦な腫瘍の場合、スネアが滑ってしまいEMRではうまく切除できないことがあります。
このような場合は、最初に腫瘍の周りを切開した後にスネアで切除することで、腫瘍の一括切除を目指します。
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Step01
わずかに赤みを帯びているところが腫瘍です。
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Step02
色素を散布することで凹凸が見やすくなります。
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Step03
この病変は事前の検査で”癌”であることが分かっており、一括で切除することを目指します。
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Step04
まず腫瘍の周りを切開して、腫瘍と非腫瘍の境界を切り分けます。
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Step05
切開したことでスネアが引っかかりやすくなり、一括切除が可能となりました。