内視鏡検査生活習慣病
胃痛が続く時の受診タイミング〜見逃せない症状と検査の必要性

胃痛が続く時、どう判断すればいいのか
「胃が痛い」と感じた時、すぐに病院へ行くべきか、それとも市販薬で様子を見るべきか・・・
多くの方が迷われる瞬間です。
実は、胃痛の原因は多岐にわたります。
単なる食べ過ぎやストレスによる一時的なものから、胃潰瘍や胃がんといった重大な病気まで、その背景はさまざまです。消化器内視鏡専門医として多くの患者さんを診察してきた経験から、胃痛が続く場合には適切なタイミングで受診することが非常に重要だとお伝えしたいと思います。
胃痛を放置すると、病気が進行してしまうケースもあります。早期に発見できれば、治療の選択肢も広がり、回復も早くなります。一方で、すべての胃痛が緊急性を要するわけではなく、適切な判断基準を知っておくことで、安心して対処できるようになります。
この記事では、胃痛が続く場合の受診タイミング、見逃してはいけない危険な症状、胃カメラ検査が必要なケース、そして早期受診のメリットについて、消化器専門医の視点から詳しく解説します。
すぐに受診すべき危険な胃痛の症状
胃痛の中には、すぐに医療機関を受診すべき「危険なサイン」があります。
以下のような症状がある場合は、緊急性が高い可能性があるため、速やかに受診してください。
激しい痛みや突然の強い痛み
突然発症する激しい胃痛は、胃潰瘍の穿孔(胃に穴が開く)や急性膵炎などの可能性があります。特に、これまで経験したことのないような強い痛みが突然起こった場合は、すぐに救急外来を受診する必要があります。胃潰瘍が進行して穿孔すると、腹膜炎を引き起こし、命に関わることもあります。
吐血や黒色便(タール便)
吐血や黒いタール状の便は、消化管からの出血を示すサインです。胃潰瘍や十二指腸潰瘍、胃がんなどが原因で出血している可能性があります。出血が続くと貧血が進行し、生命に危険が及ぶこともあるため、これらの症状が見られた場合は、直ちに医療機関を受診してください。
持続する強い腹痛と発熱
胃痛に加えて高熱が続く場合、胆のう炎や膵炎などの炎症性疾患の可能性があります。特に右上腹部の痛みと発熱がある場合は胆のう炎、みぞおちから背中にかけての痛みと発熱がある場合は膵炎を疑います。これらの病気は重症化すると命に関わるため、早急な診断と治療が必要です。
体重減少を伴う胃痛
意図的なダイエットをしていないにもかかわらず、短期間で体重が減少している場合は注意が必要です。胃がんや膵臓がんなどの悪性腫瘍では、食欲不振や栄養吸収の低下により体重減少が起こることがあります。胃痛とともに体重が減っている場合は、早めに精密検査を受けることをおすすめします。
様子を見てもよい胃痛との違い
すべての胃痛が緊急性を要するわけではありません。
以下のような場合は、一時的に様子を見ても問題ないことが多いです。
食べ過ぎや飲み過ぎによる一時的な痛み
食事の直後に起こる軽い胃痛や膨満感は、食べ過ぎや飲み過ぎが原因であることが多いです。このような場合、数時間から1日程度で自然に改善することがほとんどです。ただし、痛みが2~3日以上続く場合や、繰り返し起こる場合は、胃炎や逆流性食道炎などの可能性もあるため、受診を検討してください。
ストレスや緊張による胃痛
仕事や人間関係のストレス、試験前の緊張などで胃痛が起こることがあります。これは自律神経の乱れによって胃酸の分泌が増えたり、胃の動きが悪くなったりすることが原因です。ストレスが解消されると痛みも自然に治まることが多いですが、慢性的にストレスを感じている場合は、機能性ディスペプシアや胃炎に進行する可能性もあります。
生理前や生理中の胃痛
女性の場合、生理前や生理中にホルモンバランスの変化によって胃痛が起こることがあります。これは一時的なものであり、生理が終われば改善することがほとんどです。ただし、毎回強い痛みがある場合や、日常生活に支障をきたすほどの痛みがある場合は、婦人科や消化器内科を受診することをおすすめします。
市販薬で改善する軽い胃痛
市販の胃薬を服用して数日以内に改善する軽い胃痛であれば、一時的な胃の不調である可能性が高いです。しかし、市販薬を飲んでも改善しない場合や、一旦良くなってもすぐに再発する場合は、より詳しい検査が必要になることがあります。
胃カメラ検査が必要なケースとは
胃痛が続く場合、胃カメラ検査(上部内視鏡検査)が必要になることがあります。
胃カメラ検査は、胃の内部を直接観察できる最も確実な検査方法です。
2週間以上続く胃痛
胃痛が2週間以上続く場合は、胃カメラ検査を受けることをおすすめします。慢性的な胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃がんなどの可能性があるためです。特に40歳以上の方で初めて胃痛が続く場合は、早めの検査が重要です。
ピロリ菌感染が疑われる場合
ピロリ菌は胃炎や胃潰瘍、胃がんの原因となる細菌です。慢性的な胃痛がある場合、ピロリ菌感染の可能性があります。胃カメラ検査では、胃の状態を観察するとともに、組織を採取してピロリ菌の有無を調べることができます。ピロリ菌が見つかった場合は、除菌治療を行うことで胃がんのリスクを大幅に減らすことができます。
胃がん検診で異常が指摘された場合
バリウム検査や血液検査で異常が指摘された場合、精密検査として胃カメラが必要になります。バリウム検査では小さな病変を見逃すこともあるため、胃カメラで直接確認することが重要です。早期の胃がんは症状がほとんどないため、検診で異常が見つかった場合は必ず精密検査を受けてください。
家族に胃がんの既往がある場合
家族に胃がんの方がいる場合、遺伝的な要因やピロリ菌の家族内感染により、胃がんのリスクが高くなることがあります。特に40歳を過ぎたら、定期的に胃カメラ検査を受けることをおすすめします。当院では、眠ってできる内視鏡検査や最新の機器を用いた検査を提供しており、患者さんの負担を最小限に抑えた検査が可能です。
出典
巣鴨駅前胃腸内科クリニック「食後の胃痛が続く原因は胃潰瘍?|ピロリ菌による萎縮性胃炎と胃カメラ検査」
より作成
早期受診のメリット〜早期発見・早期治療の重要性
胃痛が続く場合、早めに受診することで多くのメリットがあります。
病気の早期発見が可能になる
胃がんや胃潰瘍などの病気は、早期に発見できれば治療の選択肢が広がります。特に胃がんは、早期に発見できれば内視鏡治療で完治することも可能です。当院では2024年に食道・胃がんを23名、大腸がんを54名発見しており、多くの方が早期発見により良好な経過をたどっています。
適切な治療を早く始められる
早期に診断がつけば、適切な治療を早く始めることができます。胃潰瘍であれば薬物治療で改善しますし、ピロリ菌感染があれば除菌治療で再発を防ぐことができます。逆に、放置して病気が進行すると、治療が複雑になり、入院や手術が必要になることもあります。
不安を解消できる
胃痛が続くと「もしかして重い病気では?」と不安になることがあります。検査を受けて何も問題がなければ、その不安を解消することができます。また、病気が見つかった場合でも、適切な治療方針が立てられることで、精神的な負担が軽減されます。
生活の質(QOL)を維持できる
胃痛が続くと、食事が楽しめなくなったり、仕事や日常生活に支障をきたしたりすることがあります。早期に治療を始めることで、これらの症状を早く改善し、生活の質を維持することができます。当院では、予約診療制を採用しており、待ち時間の解消や感染リスクの軽減にも努めています。
出典
(2024年実績)より作成
当院での胃カメラ検査の特徴
当院では、患者さんが安心して検査を受けられるよう、さまざまな工夫をしています。
眠ってできる内視鏡検査
鎮静剤を使用することで、ほぼ眠った状態で検査を受けることができます。「胃カメラは苦しい」というイメージをお持ちの方も多いですが、鎮静剤を使うことで、ほとんど苦痛を感じることなく検査を終えることができます。
最新の機器を用いた精密検査
当院では、最新の内視鏡機器を使用しており、小さな病変も見逃さない精密な検査が可能です。高解像度の画像により、早期のがんやポリープも発見できます。
女性医師による検査も可能
女性の患者さんが安心して検査を受けられるよう、女性医師による内視鏡検査にも対応しています。デリケートな悩みも相談しやすい環境を整えています。
胃・大腸カメラの同日実施も可能
必要に応じて、胃カメラと大腸カメラを同じ日に実施することも可能です。一度の来院で両方の検査を済ませることができるため、お忙しい方にも便利です。
24時間ネット予約対応
当院では、24時間対応のWEB予約システムやLINEからの予約も可能です。お仕事や家事で忙しい方でも、ご都合の良い時間に予約を取ることができます。
胃痛が続く時に自分でできる対処法
受診までの間、自分でできる対処法もあります。
食事内容の見直し
刺激の強い食べ物(辛いもの、酸っぱいもの、脂っこいもの)は胃に負担をかけます。胃痛がある時は、消化の良い食べ物を選び、ゆっくりとよく噛んで食べるようにしましょう。また、アルコールやカフェインも胃酸の分泌を促進するため、控えめにすることをおすすめします。
ストレス管理
ストレスは胃痛の大きな原因の一つです。十分な睡眠をとり、リラックスできる時間を作ることが大切です。深呼吸やストレッチ、軽い運動なども、ストレス解消に効果的です。
市販薬の適切な使用
一時的な胃痛には市販の胃薬が有効なこともあります。ただし、2~3日使用しても改善しない場合や、症状が悪化する場合は、自己判断で薬を続けるのではなく、医療機関を受診してください。
生活習慣の改善
規則正しい生活リズムを保ち、食事の時間を一定にすることも重要です。また、喫煙は胃の粘膜を傷つけるため、禁煙することをおすすめします。
まとめ〜胃痛が続く時は早めの受診を
胃痛が続く場合、その原因はさまざまです。
一時的なものであれば様子を見ても問題ありませんが、2週間以上続く胃痛、激しい痛み、吐血や黒色便、体重減少などの症状がある場合は、すぐに受診することが重要です。
早期に受診することで、病気の早期発見・早期治療が可能になり、生活の質を維持することができます。胃カメラ検査は、胃の状態を正確に把握できる最も確実な検査方法です。当院では、眠ってできる内視鏡検査や最新の機器を用いた精密検査を提供しており、患者さんの負担を最小限に抑えた検査が可能です。
胃痛でお悩みの方は、一人で悩まず、お気軽にご相談ください。消化器内視鏡専門医として、皆さまの健康をサポートいたします。
詳しい検査内容や予約方法については、浜野胃腸科外科医院の公式サイトをご覧ください。24時間WEB予約やLINE予約にも対応しており、お忙しい方でもご都合の良い時間に検査を受けていただけます。
著者プロフィール
浜野 徹也(はまの てつや)
現職
浜野胃腸科外科医院 副院長(2015年就任)
東京女子医科大学八千代医療センター 内視鏡科 非常勤講師
東邦大学医療センター佐倉病院 消化器内科 非常勤医師
千葉県がんセンター 消化器内科 非常勤医師
研修・経歴
立川相互病院(初期研修)→東京女子医科大学八千代医療センター(総合救急診療科 → 内視鏡科)
その後、千葉県がんセンターなどで非常勤として消化器内視鏡診療に従事
専門・理念
日本消化器内視鏡学会専門医・指導医、
日本消化器病学会専門医、
日本内科学会認定医、
日本胆道学会認定指導医
「胃がん・大腸がんで亡くなる方をゼロにする」をミッションに掲げ、苦痛の少ない質の高い内視鏡検査の普及に努める
活動・社会貢献
20~30代を含む働き盛り世代や女性の大腸がん検診受診率向上にも注力。保育園との提携による検診の受診促進や、鎮静剤を用いた安心できる検査環境を提供
メッセージ
医師として「命を預かる責任」を、経営者としては「スタッフの生活を支える責任」を常に胸に刻み、「筋が通る人であり続ける」ことを信条に、日々成長を目指しています


