健康診断内視鏡検査生活習慣病
腹痛の原因を症状別に解説!急性腹症の見分け方と対処法

お腹が痛い・・・そんな症状は誰もが経験するものですが、その原因は実にさまざまです。
軽い胃腸炎から、命に関わる急性腹症まで、腹痛の背景には多様な病態が隠れています。特に急激に発症した強い腹痛は、緊急手術を必要とする疾患のサインかもしれません。
当院では消化器内視鏡専門医として、日々多くの腹痛患者さんの診療にあたっています。2024年には内視鏡検査総数4,497件を実施し、食道・胃癌23名、大腸癌54名を早期発見してきました。この経験から、腹痛の原因を正確に見極め、適切な対処を行うことの重要性を痛感しています。
この記事では、腹痛の原因を症状や痛みの場所別に詳しく解説します。特に緊急性の高い急性腹症の見分け方から、日常的な腹痛への対処法まで、医学的根拠に基づいた情報をわかりやすくお届けします。
【お問い合わせ】
電話:050-5810-4681
24時間WEB予約・LINE予約対応
急性腹症とは?定義と基本的な理解
「急性腹症」という言葉を聞いたことがありますか?
急性腹症とは、比較的急激に発症した腹痛において、手術を含めた緊急対応が必要となる可能性のある疾患群を指します。明確な定義はありませんが、腹部臓器に起因する疾患だけでなく、胸部疾患・血管疾患・代謝性疾患など全身疾患も含まれる重要な概念です。
救急外来を受診する患者さんの一定割合が急性腹症とされており、決して珍しい状態ではありません。初期対応の遅れは重症化や死亡率の増加につながるため、早期の診断と治療介入が極めて重要となります。
急性腹症で頻度が高い疾患としては、以下が挙げられます。
- 急性虫垂炎
- 胆石症
- 小腸閉塞
- 尿管結石
- 胃炎
- 消化性潰瘍穿孔
- 胃腸炎
- 急性膵炎
- 憩室炎
- 産婦人科疾患
年齢や性別によって頻度が異なるのも特徴です。
また、心筋梗塞や精索捻転など腹部臓器以外の緊急性の高い疾患も鑑別対象となります。女性特有の骨盤内炎症性疾患、異所性妊娠、卵巣茎捻転、卵巣出血なども考慮する必要があります。
腹痛の原因を痛みの場所から考える
腹痛の原因を探る上で、「どこが痛いか」は非常に重要な手がかりです。
腹部は大きく9つの領域に分けられます。それぞれの部位で考えられる疾患が異なります。痛みの部位と移動、放散は鑑別診断に重要な情報です。
上腹部の痛み
上腹部の痛みは、胃や十二指腸、膵臓、胆嚢などの疾患を示唆します。
心窩部(みぞおち)の痛みは、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、急性胃炎、逆流性食道炎などで多く見られます。当院でも胃カメラ検査で胃潰瘍や十二指腸潰瘍を発見するケースは少なくありません。
特に突然の激しい痛みは、消化性潰瘍穿孔の可能性があります。緊急手術が必要となることもあります。
右上腹部の痛みでは、胆石症や急性胆嚢炎を考えます。食後に痛みが強くなる場合は、胆石症の可能性が高まります。
左上腹部の痛みは、急性膵炎や脾臓の疾患を疑います。膵炎の痛みは背部へ放散することが特徴的です。
下腹部の痛み
下腹部の痛みは、腸や泌尿器、女性では婦人科疾患の可能性を考えます。
右下腹部の痛みで最も重要なのは急性虫垂炎です。上腹部から右下腹部への痛みの移動は虫垂炎を強く示唆します。
左下腹部の痛みでは、憩室炎や大腸疾患を考慮します。当院では大腸カメラ検査により、憩室炎や大腸癌の早期発見に努めています。
下腹部全体の痛みは、腸閉塞、膀胱炎、女性では子宮や卵巣の疾患を疑います。特に妊娠可能年齢の女性では、異所性妊娠や卵巣茎捻転など緊急性の高い疾患も鑑別に含める必要があります。
側腹部・腰背部の痛み
側腹部から腰背部にかけての痛みは、腎臓や尿管の疾患を示唆することが多いです。
尿管結石では、側腹部から陰部へと放散する激しい痛みが特徴的です。腎盂腎炎では、発熱を伴う腰背部痛が見られます。
また、腹部大動脈瘤の破裂では、腰背部の激痛とともにショック状態となります。緊急手術が必要となる重篤な状態です。
腹痛の原因を症状の特徴から見極める
痛みの場所だけでなく、症状の特徴も原因を探る重要な手がかりです。
発症様式による分類
急激な発症様式では、穿孔などに伴う腹膜炎や大動脈・上腸間膜動脈の異常、卵巣茎捻転などによる臓器の虚血を第一に考えます。胆管・尿管などの閉塞でも急性の発症を呈します。
一方、膵炎などでは痛みは徐々に出現することが多いです。胃腸炎や腸閉塞の痛みは間欠的となります。腸閉塞では周期的に痛みが繰り返されるのが特徴です。
痛みの持続時間
腹痛が持続する場合、特に6時間以上続く激しい腹痛では外科的病態を考慮する必要があります。
短時間で治まる痛みは、胃腸の一時的な痙攣や軽度の消化不良の可能性があります。しかし、繰り返し起こる場合や徐々に悪化する場合は、慢性疾患の可能性も考えられます。
随伴症状の重要性
急性腹症に嘔吐を伴う場合は、以下の可能性が考えられます。
- 腹膜・腸間膜の神経に対する刺激が過剰である場合(胃潰瘍穿孔・急性膵炎・虫垂炎穿孔・卵巣茎捻転など)
- 管腔臓器の閉塞(胆管、尿管、子宮頸管、腸管、虫垂)
発熱を伴う場合は、感染性疾患や炎症性疾患の可能性が高まります。下痢や便秘などの便通異常、血便の有無も重要な情報です。
高齢者が便通の性状変化を認めれば、大腸疾患を考慮します。当院では、こうした症状の詳細な聴取とともに、必要に応じて内視鏡検査を実施しています。正確な診断につなげることを心がけています。
緊急性の高い急性腹症の見分け方
命に関わる急性腹症を見逃さないことが最も重要です。
バイタルサインの異常
以下のようなバイタルサインの異常は、重篤な状態を示唆します。
- 頻呼吸(22回/分以上):肺炎・心血管疾患のみならず菌血症などでも出現
- 頻脈(100回/分以上):敗血症による死亡率、胆石性膵炎による合併症出現の頻度が増加
- 低血圧(収縮期血圧90mmHg以下):ショック状態の可能性
- 低体温症:菌血症を考慮
- 体位性の脈拍数増加(30回/分以上):失血を示唆する重要なサイン
腹膜刺激症状の確認
腹膜刺激症状とは、腹膜に炎症が及んだ際に見られる特徴的な所見です。
筋性防御(腹壁が板のように硬くなる)、反跳痛(押さえた手を急に離すと痛みが増強する)などが代表的です。これらの所見がある場合は、腹膜炎を示唆します。緊急手術が必要となる可能性が高まります。
すぐに医療機関を受診すべき症状
以下のような症状がある場合は、すぐに医療機関を受診してください。
- 突然の激しい腹痛
- 6時間以上続く強い腹痛
- 腹痛とともに発熱、嘔吐、血便がある
- 腹部が板のように硬くなっている
- 顔色が悪く、冷や汗をかいている
- 意識がもうろうとしている
- 妊娠の可能性がある女性の下腹部痛
これらの症状は、緊急性の高い急性腹症の可能性を示唆します。特に高齢者や基礎疾患のある方は、症状が軽くても早めの受診をお勧めします。
当院へのご相談はこちら
電話:050-5810-4681(24時間WEB予約・LINE予約も対応)
日常的な腹痛の原因と対処法
すべての腹痛が緊急性の高いものではありません。
日常的に経験する腹痛の多くは、ストレスや食生活の乱れ、軽度の胃腸炎などが原因です。しかし、繰り返す腹痛や慢性的な腹痛は、慢性疾患のサインかもしれません。
機能性ディスペプシア
検査をしても明らかな異常が見つからないのに、胃の痛みや不快感が続く状態を「機能性ディスペプシア」と呼びます。
ストレスや生活習慣の乱れが関係していると考えられています。当院では、胃カメラ検査で器質的疾患を除外した上で、適切な治療を提案しています。
過敏性腸症候群
腹痛と下痢や便秘を繰り返す「過敏性腸症候群」も、日常的な腹痛の原因として多く見られます。
ストレスが症状を悪化させることが知られています。生活習慣の改善とともに、必要に応じて薬物療法を行います。大腸カメラ検査で器質的疾患を除外することも重要です。
逆流性食道炎
胃酸が食道に逆流することで、胸やけや上腹部痛を引き起こします。
食後や就寝時に症状が悪化することが特徴です。当院では胃カメラ検査で食道の状態を確認し、適切な治療を行っています。
生活習慣の改善も重要です。食後すぐに横にならない、就寝前の食事を避けるなどの指導を行っています。
便秘による腹痛
便秘は腹痛の一般的な原因です。
特に高齢者では、便秘が慢性化しやすく、腸閉塞のリスクも高まります。食物繊維の摂取、適度な運動、十分な水分補給が予防に重要です。
慢性的な便秘がある場合は、大腸疾患の可能性も考慮します。大腸カメラ検査をお勧めすることがあります。
当院での腹痛診療の取り組み
浜野胃腸科外科医院では、腹痛の原因を正確に診断し、適切な治療を提供することに力を入れています。
消化器内視鏡専門医・消化器病専門医として、胃カメラ検査や大腸カメラ検査を通じて、腹痛の原因となる疾患の早期発見に努めています。2024年には胃内視鏡検査2,613件、大腸内視鏡検査1,884件を実施し、食道・胃癌23名、大腸癌54名を発見しました。
患者さんの負担を軽減する8つの特徴
- 眠ってできる内視鏡検査
- 最新の機器を用いた内視鏡検査
- 院内下剤対応
- 女性医師による内視鏡検査
- 土曜日も内視鏡検査可能
- 24時間ネット予約対応
- 胃・大腸カメラの同日実施
- 日帰りで大腸ポリープ手術可能
腹痛でお悩みの方、検診で異常を指摘された方は、お気軽にご相談ください。東葉高速線「八千代緑が丘駅」から徒歩1分とアクセスも良好です。
八千代市内だけでなく、佐倉市、船橋市、市川市、印西市、白井市、鎌ヶ谷市、千葉市、習志野市、四街道市、酒々井町、浦安市、成田市、東金市、松戸市、市原市、東京都江戸川区など広範囲からご来院いただいています。
【ご予約方法】
・24時間WEB予約
・LINE予約
・電話予約:050-5810-4681
まとめ:腹痛は原因の見極めが重要
腹痛の原因は多岐にわたり、軽度のものから命に関わるものまでさまざまです。
急性腹症は救急外来を受診する患者さんの一定割合を占めます。痛みの場所、発症様式、随伴症状、バイタルサインなどから、緊急性の高い疾患を見逃さないことが最も重要です。
突然の激しい腹痛、6時間以上続く強い腹痛、腹膜刺激症状がある場合は、すぐに医療機関を受診してください。一方、日常的な腹痛の多くは、ストレスや生活習慣の乱れが関係しています。繰り返す場合は慢性疾患の可能性もあります。
当院では、消化器内視鏡専門医として、内視鏡検査による正確な診断と早期発見に努めています。腹痛でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。
詳しい診療内容や予約方法については、浜野胃腸科外科医院の公式サイトをご覧ください。皆様の健康をお守りするため、スタッフ一同、誠心誠意診療にあたっております。
著者プロフィール
浜野 徹也(はまの てつや)
現職
浜野胃腸科外科医院 副院長(2015年就任)
東京女子医科大学八千代医療センター 内視鏡科 非常勤講師
東邦大学医療センター佐倉病院 消化器内科 非常勤医師
千葉県がんセンター 消化器内科 非常勤医師
研修・経歴
立川相互病院(初期研修)→東京女子医科大学八千代医療センター(総合救急診療科 → 内視鏡科)
その後、千葉県がんセンターなどで非常勤として消化器内視鏡診療に従事
専門・理念
日本消化器内視鏡学会専門医・指導医
日本消化器病学会専門医
日本内科学会認定医、
日本胆道学会認定指導医
「胃がん・大腸がんで亡くなる方をゼロにする」をミッションに掲げ、苦痛の少ない質の高い内視鏡検査の普及に努める
活動・社会貢献
20~30代を含む働き盛り世代や女性の大腸がん検診受診率向上にも注力。保育園との提携による検診の受診促進や、鎮静剤を用いた安心できる検査環境を提供
メッセージ
医師として「命を預かる責任」を、経営者としては「スタッフの生活を支える責任」を常に胸に刻み、「筋が通る人であり続ける」ことを信条に、日々成長を目指しています


