こんなときは胃カメラ検査を受けましょう
- 胃バリウム検査で異常を指摘された
- ピロリ菌がいると指摘された
- 黒い便が出る
- 貧血を指摘された
- みぞおちのあたりに痛みがある
- のどに詰まる感じがある
- 胸焼け、胃もたれ感がある
- 食欲が出ず、吐き気がある
- 飲酒すると顔が赤らむが、長年飲酒の習慣がある
Endoscopy
咽喉頭、食道、胃、十二指腸にできる病気(炎症、潰瘍、腫瘍など)を見つけて、詳細な観察をしたり組織を採取したりして、診断をつけて適切な治療法を検討するための検査です。
現在ではヘリコバクターピロリ菌の感染と胃癌罹患との関連が証明され、ピロリ菌陽性慢性胃炎に対して、除菌治療が積極的に行われるようになってきました。
ピロリ菌の感染率の低下に伴い、今後胃癌は減少していくことが予想されていますが、それでもなお、癌罹患率の中で胃癌は上位に君臨しています。
ピロリ菌は幼少期に感染し慢性胃炎を引き起こしますが、慢性胃炎が強く長く存在していた方は特に、ピロリ菌除菌後であっても胃癌を患ってしまうリスクは高いとされており、たとえ除菌治療を行ったとしても定期的な胃癌内視鏡検診の継続が必要となります。
胃癌とは反対に、食道癌(食道扁平上皮癌)は増加傾向にあり、さらに食道癌を患う方は咽喉頭癌のリスクも高く、合併も多く認めます。また、近年食生活の欧米化やピロリ菌感染率の低下に伴い、逆流性食道炎の罹患率が上昇しています。持続する慢性的な食道炎により食道腺癌(バレット癌)が徐々に増えてきており、これらの病変を早期に発見するために、定期的な上部消化管内視鏡検査を受ける必要があります。
これまで受けた内視鏡検査で不快な思いを抱いてしまった方や、はじめての検査で恐怖感があるという方は、ご希望に応じて鎮静剤を用いた内視鏡検査(いわゆる無痛内視鏡検査)をお勧めしています。
この方法は、のど麻酔に加えて点滴で鎮静剤を投与することで、ウトウトしている間に検査を終わらせてしまう苦痛緩和法です。
(市検診における胃カメラ検査では、市の規定により本方法での検査は出来ませんのでご了承ください。)
苦痛が緩和されるというメリットの他にも、“げっぷ”により胃の膨らみが得られず観察が不十分になるリスクを低下させる効果もあります。
デメリットとしては、呼吸抑制や血圧低下などの鎮静剤投与による偶発症が起こる可能性が挙げられます(0.0016% 検査約6300件に1例の割合で、死亡例も僅かながら認めています)。
これらの偶発症に対しては、呼吸循環モニターなどを用いて体内の酸素濃度や血圧をモニターして、適宜酸素投与や点滴の追加などを行い、安全に検査が行えるような体制を整えています。
検査終了後しばらくの間ふらつき、眠気、視力低下、一時的な物忘れなどがみられることがあります。
1時間ほどリカバリールームで休んでいただきますが、検査当日は事故予防のため車・オートバイ・自転車などをご本人が運転することはできませんので、来院の際には公共交通機関をご利用下さい。
また、検査終了後同日に重要な判断を要する仕事を行うことは避けてください。
なお、ご高齢の方はこれらの症状が強めに出る場合がありますので、できる限りご家族と一緒に来院してください。
従来の口からの内視鏡(経口内視鏡)と、鼻から挿入する内視鏡(経鼻内視鏡)のどちらもお選びいただけます。
口からの内視鏡は検査時間が短く(5分程度)、経鼻内視鏡に比べ画像も高画質で拡大内視鏡検査が可能なため、より正確な診断が可能という特徴があります。
「オェッ」という咽頭反射の少ない方には経口内視鏡をお勧めします。
経鼻内視鏡は経口内視鏡に比べ検査時間が長くなります(8分程度)が、咽頭反射が少なく、会話しながら検査が出来るといった特徴があります。
当院で採用している最新の経鼻内視鏡では、経口内視鏡には劣るものの画質の向上が図られており、病気の拾い上げのスクリーニング検査であれば、問題となることはありません。
経鼻内視鏡検査 | 経口内視鏡検査 | |
---|---|---|
挿入経路 | 鼻から挿入 | 口から挿入 |
内視鏡の外径 | 5~6mm | 9~10mm |
画質 | 低画質 - 拡大内視鏡検査不能 (通常の検査では十分な画質) |
高画質 - 拡大内視鏡検査 (慢性胃炎の経過観察や精密検診の方はこちらを推奨) |
検査中の辛さ |
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検査中の会話 | 可能 | 不可能 |
検査時の注意点 |
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NBI(Narrow Band Imaging)と言われる特殊な光を用いた検査法が可能です。
この検査法は消化管の中でも特に、咽喉頭から食道の早期癌発見には無くてはならない検査法です。
母校の千葉大学医学部附属病院光学医療診療部で内視鏡のトレーニングを積んだ院長と、現在も東京女子医科大学八千代医療センターと千葉県癌センターにも勤務する副院長との二人で読影を行うことにより、より正確な診断を提供できるよう心がけています。
内視鏡を介した肝炎ウイルスやヘリコバクターピロリ菌などの感染が報告され、2005年に世界消化器内視鏡学会より内視鏡機器の洗浄・消毒に関するガイドラインが作成されました。
しかし、内視鏡洗浄機や専用消毒剤の使用は時間と費用がかかるため、未だ全ての施設で感染防御が遵守されている訳ではないのが実情です。「病気を見つけるための検査を受けたのに、病原ウイルスや細菌に感染してしまった」なんてことはあってはなりません。
当院では2003年より洗浄機を導入し、手洗い洗浄の後、適正な濃度に調整された専用の高水準消毒薬(アセサイド)で機械洗浄を行った内視鏡で検査を行っています。「アセサイド6%消毒液」は、過酢酸のもつ迅速で強い殺菌力により、短時間で広範囲の微生物・ウイルスを殺滅します。
また過酢酸は人体に対する安全性にも優れ、排液は容易に酢酸と酸素に分解され、さらに酢酸は環境微生物により炭酸ガスと水に分解されますので環境に悪影響を及ぼすこともありません。
食事・水分の制限はありません。
食事は21時以降は食べないでください。水分は、21時以降も水・お茶は摂取可能です。
食事は食べないで下さい。水分は、検査の1時間前まで水・お茶は摂取可能です。
食事は検査後、1時間程度で麻酔が切れますので食べることが出来ます。
組織検査を行った場合は、当日のアルコール・辛いものの摂取はお控えください。
水分は、検査後、1時間程度で麻酔が切れますので飲むことが出来ます。
検査の苦痛緩和のため鎮静剤を用いて検査を行った場合、検査終了後しばらくの間ふらつき、眠気、視力低下、一時的な物忘れなどがみられることがあります。
検査の後1時間ほどリカバリールームで休んでいただきますが、検査当日は事故予防のため車、オートバイ、自転車などをご本人が運転することはできませんので、来院の際には公共交通機関をご利用ください。
また、検査終了後同日に重要な判断を要する仕事を行うことは避けてください。
なお、ご高齢の方はこれらの症状が強めに出る場合がありますので、できる限りご家族と一緒に来院してください。
胃カメラ内視鏡検査料金は下記の表をご参照ください。詳細な金額の内訳などを確認されたい方はご遠慮なくお問い合わせください。
※基本的に胃カメラ内視鏡検査は保険適用で実施することができます。
※下記の表は参考金額です。実際の診療内容によって金額は変動いたします。
検査(治療)内容 | 1割負担 | 2割負担 | 3割負担 |
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胃カメラ検査のみ | 約1,500円 | 約3,000円 | 約4,500円 |
胃カメラ検査 病理組織検査 |
約3,000円 | 約6,000円 | 約9,000円 |